2009年1月

2009.1.10
text by iwaholi
James Yuill "No Surprise"

yuillyことJames Yuillの昨年発表されたアルバム『Turning Down Water For Air』は個人的にかなーり愛聴した一枚。Four TetやBoards Of Canadaに代表されるエレクトロニカ・フォークトロニカと呼ばれる、チルアウトやベッドルーム向けの電子音楽と、いわゆるエレクトロ、ダンスフロアを意識したアグレッシブなサウンドという、一見相反する2つのどちらかに振り切ることなく、絶妙のバランスでまとめた感覚が、決して派手ではないものの実にオリジナリティを持って響いたのでした。

で、Moshi Moshiレーベルから発売された1st 7inch "No Surprise" が、この度再発されるそうな! パチパチパチ。amazon.jpだと1/26入荷予定となっています。

で、iTSでは自身による "Earth" と "Fire" の2つリミックス・バージョンも発表されるとか。最初に挙げた2つのテイストでいうと、"Earth" はフォークトロニカ・サイド。っていうかもろフォーク。アコースティック・ギターの響きと歌のメロディ、ハーモニーの美しさを最大限に引き出した、安らかさすら感じるアレンジ。彼のMySpaceで視聴することができます。

一方の"Fire"は、現在彼がライヴでアレンジしているヴァージョンだとか。YouTubeで聴くことができるものを貼っておきます。こちらはまさに後者、エレクトロ・ユイリーの面目躍如といった感じの、バレアリックなシンセ使いがフロアに映えます。

近々、盟友Rod Thomasによるリミックスも彼のブログに公開されるというから、こちらも楽しみ。今一番来日/国内盤リリースが待ち遠しいアーティストの一人です。

JAMES YUILL - MySpace

2009.1.10
text by 関山雄太

2008年の一番良かった10枚を皆さんが紹介します。
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1983年、東京都にて発見された音楽虫。体長:157cm。生息地:音のある場所。特徴:音楽やそれに関わるカルチャーや、そこからの人との繋がりからエネルギーを吸収し、成長する。

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1ジャイルス・ピーターソン発掘による注目新人。2豪華ゲスト多数! 3新旧technoカバー...とJazzもの三連打。4のフレンチエレクトロデュオによるLive音源は、昨今のカラフルなそれとは異なるダークな音にズブズブ! 5-6のRemix集&Remex worksはどれもすばらしく夢心地。対して7はパキンパッキン4つ打ち+美メロで北極病院に誘われました。8Clark名での2作目はさらに激しく、狂気のサウンド! 突然どメジャーですが、9はさすがエンターテイナーだなと。そしてラストの10は...2008年一番の衝撃アルバム! 弱冠22歳のdubstepのパイオニアから放たれた黒い渦にみごとのみ込まれました。

iwaholi iwaholi

SpnASS統括本部長。あるいは、exhivisionの貧相な方。この春から、Playing Pateにもお世話になります。

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09年のムードに繋がる感じで挙げてみました。1-3はそれぞれ南アフリカ、ベルギー、スウェーデンのバンド。「インディ」の前に国名を付けることは、これからいっそうナンセンスになって来るのかな。4は、イギリス、いや世界で一番尖ったバンド。foxのニュース記事をそのまま歌詞(http://www.foxnews.com/story/0,2933,92855,00.html)にした、アンダーエイジズのレベル・ソング。クリミナル・ジャスティス以来の悪法form696が施行されたイギリスでも、彼等のようなバンドがいる限りアンダーグラウンドの炎は燃え続けるはず。5はロックンロール以前の音楽をカヴァーしまくる、突然変異の3姉弟。アナログはなんと78回転SP!!以下のリミキサー陣とは完全に別の形で、他人の曲に新しい命を与える、アナログ版初音ミク。最高。6-9は私的リミックス・オブ・ザ・イヤー。どのアーティストも、自分自身もリミキサーとしても活動しているってのが隠れテーマ。10はフランスのセレクトショップ、コレットの最新コンピ。東京ではファッションとエレクトロの融合が。。。とかいう話がようやく賛否ともども出てきたところで、さらっとその次の風を吹かす、コズミック・ディスコ・サウンド。

2009.1. 9
text by 関山雄太

2008年の一番良かった10枚を皆さんが紹介します。
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関山雄太 関山雄太

1985年生まれ。Playing Pate運営してます。去年の6月にこのサイトをオープンしました。本年もPlaying Pateをよろしくお願いします。
http://hncr.jp

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10枚じゃたりません。1のアルバムは終わりまで流れが出来上がっていて、今年出会った一番好きなアルバム。MVやパフォーマンスも素晴らしい。こういうのが国内版で出たらいいと思います。そして日本でライブが見たいです。って絶対むり! 2はV.A.『After Dark』以降の雰囲気の中で(ちょっと違うかな)一番好き。どうしてもこのCDが欲しくてUSのインディーショップっぽいので注文したら、届いたのがCDRにペンで『My CD』って書いてあって「自主制作ってこういう事だ」と思いました。3はShopEscalatorでのインストア良かったです。4アルバムが楽しみ。5良すぎます。もっと音源聴きたいです。6このパンク感、そして愛。7は酔ってつけたようなバンド名だけど名前に負けずに音が良くてかっこいい。8はREMIXも良かった。9 Hey Muscles I Love You! 10はDEVOプロデュースの子供カバーバンド。DEVOサマソニ最高でした。以上今年もよろしくお願いします。

creepin 山田和弘

しがないサラリーマンですが、音楽がないと毎日に刺激がないので、このページを借りて日々情報を頂き栄養補給をさせてもらっている26歳男子です。

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正直2008年は個人的に新譜が不作の年でありました。その中でNO.1にしたSEDAT THE TURKISH AVENGERは12月末に出たほやほやの12インチなのですが、1年前からずっと形ある音源として待ってたのがようやく流通し、2009年にかけて新婦の豊作を祈りをこめて"SUNRISE"を持ってきました!消耗社会音楽市場のなかで、残り続ける楽曲を個人的に選ぶとした時、流行を含め2~10って感じです。

2009.1. 8
text by 関山雄太

2008年の一番良かった10枚を皆さんが紹介します。
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yukaring yukaring

1981年新潟生まれ。Rockに影響を受けて渡英するつもりがOperaに導かれ音大へ。「goodなメロディーhardな演奏」を好みPCTのDJをやる歌い手。

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トータル的には2008年に出てきたバンドが凄く勢いがあり来日も多くて、1, 3, 7, 8と実際のライヴも最高だった印象が強く残っています。爽快な衝撃でした。そして個人的に一押しの直球バンド2, 4,。そこに6, 10の待望の傑作!5, 9はメロディーに引き込まれました。音楽現場主義としては、やっぱり2009年も来日に期待!

坂本真理 坂本真理

1983年生まれ。音楽と雑誌としょーもないことが好き。普段はグラフィック・エディトリアルデザインの仕事をしながら、PCTでDJをしています。

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捨て曲なしで何度でも聴けるアルバム10枚を選びました。1~4は言わずもがな名盤。5~10はインディーポップの金字塔(個人的に)。歌、音色、軽さと重さ、アナログとデジタル感、ストレート感とひねくれ感、すべて絶妙なバランスで混ざり合ってて気持ちよすぎ。有りがちなたいくつさと生ぬるさゼロです。5のみ2007年発売だけどずーっと聴いてます。お願いだから聴いてほしい(土下座)。

2009.1. 4
text by 山田和弘
SEDAT THE TURKISH AVENGER "SUNRISE"

ALAN BRAXEのレーベルVULTUREから2008年12月末にようやく発売されたSEDAT THE TURKISH AVENGERの12インチ。B面に収録の"SUNRISE"。この曲が2007年に発売された『VULTURE MUSIC』のコンピレーションに入っていて、どれだけこの曲を聴き、どれだけ発売を心待ちにしていたことか。。。本当に念願のリリースです。

曲は単調なメジャーコードのシンセフレーズのループを用いて徐々に高揚感を感じさせピークの瞬間は両手を挙げてしまう感覚になってしまいます。またボトムの4つ打ちもシンプルなところがこの楽曲の魅力かもしれません。

今のところ流通が上記の2点しかないようで、YouTubeも存在していないようなので、露出が少ないのですが、逆に個人的には少しうれしい気がします。データがすぐ手に入る時代の中、レコードで出してくれるっていうのがたまりません。アナログにしかない低音の重みとかが、クラブとかのスピーカーを通してもろに出る感覚、まさにクラブミュージックの形態を守っているような感じがすごく好きです。

SEDAT THE TURKISH AVENGER - MySpace
The Hype Machine - Sedat the Turkish Avenger - Sunrise